どこか、海よりは山に近い小さな小さな町。
そんな町の中心から離れた、路地裏のどんつき。
そこに、このうらぶれた書店はある。
埃と塵にまみれて、開業しているのか、いないのか、
一見するとまったくわからない。
少数の物好きが「ひやかしてやろう」と、
ガタピシときしむガラス戸を開けるときもある。
そこには埃がうずたかく積もった本棚。
しかも、その本棚に並んでいるのは
ベストセラー・リストには決して載ることがない、
聞いたこともない書物ばかり。
ふと奥に眼をやると、
年齢不詳の店主が、
茶色とも黒ともつかぬ色の猫を膝の上に載せ、
船を漕いでいる姿が見える。
果たしてこんな店で経営が成り立っているのか……
物好きな客ですら心配してしまう。
そんな、
「酩酊堂書房」
ここは、
店主・神尾 梧郎(かみお ごろう)の創作した
小説を中心とした作品を発表する場への「入り口」です。
ここの商品はすべて無料。
お代は頂戴いたしません。
その代わりにご意見、ご感想をいただければ、
白河夜船の店主も目覚めるかも知れません。
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